「長年疎遠だった親族が孤独死したと警察から連絡が来た」「遺体を引き取ってほしいと言われたが、正直どうしていいかわからない」。突然の連絡に、悲しみよりも戸惑いや不安が先に立つ方は少なくありません。
結論として、孤独死した親族の遺体の引き取りは、法律上拒否できます。ただし、引き取りを拒否しても相続や費用の問題までなくなるわけではなく、自治体から火葬費用などの負担を求められる場合があります。
この記事では、引き取り拒否が認められる法的な根拠、拒否したあとに遺体と遺骨がたどる流れ、実際の手続き4ステップ、発生する費用と負担者、判断する前に確認しておきたい注意点までを順に解説します。
髙柳 比呂志HIROSHI TAKAYANAGI
株式会社グッドバイバイ 代表取締役
- 宅地建物取引士
- 不動産キャリアパーソン
- 総合旅行業務取扱管理者
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目次
孤独死した遺体の引き取りは拒否できる

遺体の引き取りは法律上の義務ではなく、拒否しても罰則を受けることはありません。故人と疎遠だった場合や、経済的に対応が難しい場合には、引き取らないという選択も認められています。
ただし、引き取りを断ったからといって相続や費用の問題まで自動的に消えるわけではありません。まずは引き取り拒否の法的な位置づけと、拒否がしにくくなるタイミングを整理しておきましょう。
遺体を引き取る法的な義務は定められていない
日本の法律には、親族に対して遺体を引き取らなければならないとする直接的な義務規定はありません。一般的には配偶者や子ども、親、兄弟姉妹といった近親者が引き取りますが、それはあくまで慣習によるものです。
むしろ法律は、引き取る人がいない場合の対応をあらかじめ想定しています。墓地埋葬法では、埋葬や火葬を行う人がいないとき、または判明しないときは、死亡地の市町村長がこれを行わなければならないと定められています。
死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。
引用元:e-Gov法令検索 墓地、埋葬等に関する法律第9条
つまり、引き取りを希望する親族がいない場合でも、自治体が火葬などを行う仕組みが法律上用意されています。そのため、引き取りを断ったこと自体が直ちに違法になるわけではありません。
疎遠や音信不通を理由に拒否しても問題ない
引き取りを拒否する理由に、法的な条件は設けられていません。「何十年も連絡を取っていなかった」「生前に金銭トラブルがあった」「遠方に住んでいて対応できない」といった事情でも、そのまま伝えて差し支えありません。
警察や自治体の担当者に、引き取れない理由を細かく説明したり、証明したりする必要もありません。「引き取ることはできません」と明確に意思表示すれば足ります。
その場ですぐに決断できない場合は、正直にそう伝えましょう。ほかの親族と話し合う時間をもらえることもあるため、慌てて結論を出さず、まずは猶予をもらえるか確認してみてください。
引き取り拒否と相続放棄はまったくの別問題
ここが最も誤解されやすいポイントです。遺体の引き取りを拒否しても、相続人としての立場が自動的になくなるわけではありません。
遺体の引き取りは、故人を弔う行為に関する問題です。一方の相続は、故人の財産と債務を誰が引き継ぐかという問題であり、両者は法的にまったく別の枠組みで扱われます。
そのため、引き取りを断ったあとに故人の借金の返済を求められる可能性は残ります。負債を引き継ぎたくない場合は、引き取り拒否とは別に、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行わなければなりません。
拒否しにくくなるのはどのタイミングか
引き取り拒否そのものは可能ですが、連絡を受けた段階によって進めやすさは変わります。一般的には、警察や自治体から最初に連絡を受けた段階で、引き取りが難しい意思を伝えておくと、その後の手続きが進めやすくなります。具体的な対応は自治体によって異なるため、担当窓口へ確認しましょう。
難しくなりやすいのは、火葬が済んだあとの遺骨の段階です。特に関東圏は民間の火葬場が多く、遺骨の保管場所を確保しづらい事情から、引き取りを強く求められる場合があると言われています。
対応は自治体や火葬場ごとに差があるため、迷っている段階でも、故人が亡くなった地域の役所に取り扱いを確認しておくと判断しやすくなります。
引き取りを拒否した遺体と遺骨はどうなる

遺族が引き取りを断った遺体は放置されるわけではなく、死亡地の自治体が引き継いで火葬まで行います。通夜や告別式といった儀礼は省かれ、必要最低限の形で進められるのが一般的です。火葬後の遺骨は自治体などが一定期間保管し、その後は合葬墓など自治体が定めた方法で供養される場合があります。
ここでは、拒否したあとに遺体と遺骨、そして遺品がどう扱われるのかを具体的に見ていきます。
死亡地の市区町村長が火葬を執り行う
引き取り手がいない遺体は、墓地埋葬法にもとづき、死亡地の市区町村長が火葬を行います。宗教儀礼は省略され、火葬のみの簡素な形で進むのが通例です。
なお、身元がわからない遺体は「行旅死亡人」として扱われ、身元が判明している孤独死のケースとは法律上の扱いが異なります。ただし、費用負担については自治体が故人の財産や関係者への請求を検討する点で共通する部分があります。
火葬の日程や場所について遺族へ事前に相談があるとは限らず、自治体の判断で進められることも多くあります。立ち会いを希望する場合は、拒否の意思を伝える際にあわせて相談してください。
遺骨は保管を経て無縁墓へ納骨される
火葬後の遺骨は、自治体が一定期間保管したうえで、契約している合祀墓や無縁墓に納骨されます。保管期間は自治体によって異なり、数か月から数年と幅があります。
保管期間中であれば、あとから遺骨だけを引き取ることも可能です。遺体は引き取らないが遺骨は引き取りたいという選択もでき、この場合は火葬料や保管料の負担を求められることがあります。
いったん合祀墓に納骨されると、ほかの遺骨と一緒に埋葬されるため、あとから取り出すことはできません。迷いがある場合は、保管期限がいつまでかを役所に確認しておくと安心です。
死亡届は誰が提出することになるのか
「引き取りを拒否したら死亡届は自分が出すのか」と心配される方がいますが、その必要はありません。孤独死で警察が遺体を取り扱った場合、警察による確認後、死亡届や戸籍への記載については状況に応じて必要な手続きが進められます。親族だからといって、必ず自分が死亡届を提出しなければならないとは限りません。
戸籍法では死亡届の届出義務者として、同居の親族やその他の同居者、家主や地主、家屋管理人などが定められています。別居していた疎遠な親族は、そもそも義務者に含まれないケースがほとんどです。
ただし運用は自治体によって異なり、書類の提出を求められるケースもあります。求められた場合は、自分が届出義務者にあたるかを確認したうえで対応してください。
なお、故人名義の口座や契約の解約手続きには死亡の事実を示す書類が必要になります。将来的に相続の手続きを進める予定があるなら、戸籍への記載時期を役所に確認しておくとよいでしょう。
賃貸物件の遺品や残置物は誰が片づけるのか
見落とされがちなのが、故人が住んでいた部屋の問題です。遺体の引き取りを拒否しても、部屋に残された家財や遺品が自動的に処分されるわけではありません。
賃貸物件であれば、大家や管理会社から相続人に対して、残置物の撤去や原状回復、未払い家賃の精算を求められることがあります。遺品の所有権は相続財産に含まれるため、相続人が対応を求められるという構図です。
持ち家の場合は、そのまま不動産が相続の対象になります。孤独死のあった家をどう扱うかについては、孤独死した家はどうなる?相続や清掃・売却の流れもあわせてご確認ください。
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孤独死の引き取り拒否をする流れ4ステップ

実際に引き取りを拒否する場合、特別な申請書を提出したり、書面を作成したりする必要はありません。警察や自治体の担当者に意思を伝えることで手続きが進みます。ただし、連絡は一度きりではなく、火葬後や費用の請求時にも再度連絡が入ります。
ここでは、最初の連絡から費用の請求までを4つのステップに分けて確認していきましょう。
警察から身元確認と引き取り依頼の連絡が入る
最初の連絡は警察から入ります。孤独死が発見されると、警察は事件性の有無を調べるために現場検証と検視を行い、身分証や指紋、必要に応じてDNA鑑定などで身元を特定します。
身元が判明すると、戸籍などから親族関係を確認し、連絡可能な親族へ順次連絡が行われます。連絡の内容は、身元確認の依頼と遺体の引き取り依頼が中心になります。
DNA鑑定が必要な場合は結果が出るまで数週間かかることもあり、身元が確定した段階であらためて連絡が来ます。引き取り拒否の意思は、この最初の依頼を受けたタイミングで伝えるのが最も確実です。
引き取らない意思を警察や自治体に伝える
引き取らないと決めたら、担当の警察官にその旨をはっきり伝えます。曖昧な返答を続けると連絡が繰り返され、判断が先延ばしになるため、意思が固まっているなら明確に回答したほうが双方の負担は軽くなります。
伝える際は、次の点を確認しておくと後の手続きがスムーズです。
- 担当部署と担当者の名前、連絡先
- 今後の窓口が警察と自治体のどちらになるか
- 遺骨の引き取りについて後日連絡があるかどうか
- 故人の所持品や遺留金の取り扱い
ほかにも相続人がいる場合は、同じ連絡がその方々にも順次入ります。後々のトラブルを避けるため、可能であれば事前に方針を共有しておくとよいでしょう。
自治体から遺骨引き取りの連絡を受ける
自治体による火葬が済むと、今度は市区町村の担当部署から遺骨の引き取りについて連絡が入ります。連絡が来る時期は火葬の直後とは限らず、数週間から数か月後になることもあります。
ここでも引き取りは義務ではないため、断ることは可能です。拒否した場合、遺骨は自治体の管理する無縁墓や合祀墓に納められます。
一方で、供養だけはしておきたいと考え、この段階で遺骨のみ引き取る方もいます。遺骨を引き取っても、それだけで相続を承認したことにはなりませんが、費用の扱いについては事前に確認しておきましょう。
火葬などにかかった費用の請求を受ける
最後のステップが費用の請求です。自治体が立て替えた火葬や搬送の費用について、後日、相続人や扶養義務者へ請求が届く場合があります。
請求されるかどうかは自治体の方針や故人の資産状況によって異なり、遺留金で賄えた場合は請求が来ないこともあります。請求が来ないケースもある一方で、来ることのほうが多いと考えて備えておくのが現実的です。
請求書が届いたら、内訳と法的な根拠、支払期限を確認しましょう。金額に疑問がある場合や、支払いが難しい場合は、その場で応じる前に自治体の担当者や専門家へ相談してください。
引き取り拒否をしても発生する費用と負担者

引き取りを拒否すれば費用が一切かからない、と考えるのは危険です。火葬費用は自治体が一時的に負担する場合がありますが、その後の費用負担については、故人の遺留金の有無、相続関係、扶養義務の有無などを踏まえて判断されます。さらに、賃貸物件であれば特殊清掃や原状回復の費用も別に発生します。
どの費用を誰が負担するのかを整理しておきましょう。
火葬費用の負担先は状況によって変わる
自治体が火葬などにかかった費用を負担した場合、その費用の扱いは故人の財産状況や親族関係、自治体の取り扱いによって異なります。まず故人が残した財産から充当される場合がありますが、不足分について関係者へ負担を求められるケースもあります。
| 確認される対象 | 内容 |
|---|---|
| 故人の遺留金品 | 故人が残した現金や預貯金などを 費用に充てられる場合があります |
| 相続関係者 | 相続関係や費用の内容によって、 負担について確認される場合があります |
| 扶養義務者 | 自治体によっては、扶養義務者へ費用負担について 確認や請求を行う場合があります |
| 自治体 | 関係者から回収できない場合、 公費で対応されることがあります |
注意したいのは、相続放棄をしても、すべての費用負担から自動的に免除されるとは限らない点です。自治体から費用について確認を求められる場合もあるため、請求内容や根拠を確認したうえで対応しましょう。
火葬費用の相場は数万円から十数万円
自治体が行う火葬は儀礼を伴わないため、一般的な葬儀と比べて費用は抑えられます。公営の火葬場であれば、その市区町村に住民票があった方は0円から2万円程度、市外の方は5万円から10万円程度が目安です。
これに遺体の搬送費や保管費が加わるため、請求額は数万円から十数万円程度になるケースが多く見られます。ただし料金は自治体ごとに大きく異なるため、実際の金額は請求書で確認してください。
なお、故人が国民健康保険などに加入していた場合は葬祭費の給付制度がありますが、葬儀を行わず火葬のみの場合は支給対象外とする自治体もあるため、申請前に条件を確認しましょう。
検案や死体検案書の発行にかかる費用
孤独死では死因を特定する手続きが必要になります。警察が行う検視そのものに遺族の費用負担はありませんが、医師による検案や書類の発行には費用が発生します。遺体を引き取る場合に遺族の負担となる代表的な項目は次のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 死体検案料 | 3万円〜5万円程度 | 医師が死因を医学的に判断するための費用 |
| 死体検案書の発行 | 5,000円〜1万円程度 | 死亡の事実を証明する書類の発行手数料 |
| 遺体の保管料 | 1日2,000円程度 | 身元確認や死因特定の期間に発生する費用 |
| 解剖 | 8万円〜12万円程度 | 死因が特定できない場合に実施。 地域によっては公費で行われる |
金額は地域や状況によって変わります。引き取りを拒否した場合、これらの費用も自治体がいったん負担したうえで、前述のとおり故人の財産や関係者の状況に応じて負担が検討されます。
特殊清掃と原状回復の費用は誰が負担するのか
発見が遅れた孤独死では、室内に体液や臭気が残り、通常の清掃では対応できない状態になっていることがあります。この場合に必要となるのが特殊清掃です。
費用の相場は部屋の広さや汚損の程度によって幅がありますが、ワンルームで5万円から30万円程度、間取りが広くなればさらに高額になります。この費用は火葬費用とは別枠で、契約内容や相続関係によって、大家や管理会社から相続人などへ費用負担を求められる場合があります。
作業内容や料金の内訳については、孤独死の清掃費用と特殊清掃の流れで詳しく解説しています。請求内容が妥当かどうかを判断する材料としてご覧ください。
監修者髙柳
事故物件・訳あり物件買取のプロからのアドバイス
見積書が届いても、その場で判断しないでください。私たちが現地に入ると、必要のない工事まで含まれていたケースを何度も見ています。
金額に迷ったら一度手を止めて、複数社に見てもらう。それだけで負担は大きく変わります。
生活保護受給者だった場合の費用の扱い
故人が生活保護を受給していた場合、対応は2つに分かれます。遺族が引き取って火葬まで行う場合は、葬儀費用を負担する余力がなければ生活保護制度の葬祭扶助を申請できます。
一方、誰も葬祭を行わず引き取りを拒否した場合は葬祭扶助ではなく、墓地埋葬法にもとづき自治体が火葬を行う扱いになります。この場合の費用についても、故人の財産状況や関係者の状況、自治体の取り扱いによって対応が異なります。
ただし葬祭扶助の対象は火葬に関わる最低限の費用であり、遺品整理や原状回復の費用は対象外です。部屋の片づけにかかる費用は別途検討する必要があります。
退去にともなう費用の考え方は、生活保護受給者が死亡後のアパート退去費用は誰が払う?で整理しています。あわせて確認しておくと判断しやすくなります。
引き取り拒否を決める前に確認したい注意点

引き取り拒否は権利として認められていますが、判断を誤ると後から負担が増えたり、後悔が残ったりすることがあります。特に相続放棄を検討している場合は、動く順番を間違えると放棄が認められなくなる恐れもあります。
決断する前に押さえておきたい5つの注意点を確認しておきましょう。
相続放棄をしても火葬費用を請求される場合がある
相続放棄をすれば、故人の借金を引き継ぐ義務はなくなります。しかし、それで自治体からの請求がすべて止まるとは限りません。
配偶者や直系血族、兄弟姉妹は民法上の扶養義務者にあたる場合があり、扶養義務者としての立場で火葬費用の負担を求められる可能性が残ります。相続放棄は万能の免責ではないと理解しておきましょう。
実際に請求が届いた場合は、支払い義務があるかどうかを自分で判断せず、内訳を持参して弁護士や司法書士に相談するのが安全です。
遺品に手をつけると単純承認とみなされる
相続放棄を考えているなら、故人の持ち物には触れないでください。金銭的価値のある遺品を処分したり売却したりすると、法定単純承認とみなされ、相続を承認したものとして扱われる恐れがあります。
特に次のような行為は避けるべきです。
- 預貯金の引き出しや解約
- 貴金属や家電などの売却、処分
- 不動産の売却や解体
- 故人の財産を使った費用の支払い
部屋の片づけを急かされても、まずは相続の方針を決めてから動きましょう。片づけと相続放棄の関係は、孤独死の後始末で押さえるべき手順と注意点でも解説しています。
相続放棄の期限は知った日から3か月以内
相続放棄には期限があります。自分が相続人であることを知った日から3か月以内に、家庭裁判所へ申述しなければなりません。この期間を熟慮期間と呼びます。
期限を過ぎると単純承認とみなされ、借金を含むすべての財産を引き継ぐことになります。疎遠だった親族の場合、財産や債務の全体像を把握するだけでも時間がかかるため、早めに着手することが大切です。
どうしても調査が間に合わない場合は、家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てられる制度があります。期限が迫っているなら、この手続きも含めて専門家に相談してください。
故人が引き取り手を指定していないか確認する
故人が生前に遺言書やエンディングノートを残し、遺体の引き取り手を指定している場合があります。友人や知人、団体などを指定しているケースも見られます。
ただし、こうした指定に法的な拘束力はありません。指定された人が引き取りを断ることも、親族以外の方が引き取ることも可能です。
指定があるかどうかは、警察が保管している所持品や、部屋にある書類から判明することがあります。自分以外に引き取る意思のある人がいるなら、その方に引き継いでもらう選択肢も検討できます。
他の親族や専門家に相談してから決める
引き取り拒否は、感情が高ぶった状態で決めてしまいやすい判断です。生前の関係が良くなかった場合はなおさらですが、時間が経ってから後悔したという声も少なくありません。
また、自分が拒否すれば連絡は次順位の親族へ移ります。何も伝えずに拒否したことで、ほかの親族との関係が悪化するケースもあるため、可能な範囲で共有しておくほうが安全です。
費用や相続の判断に迷うときは、弁護士や司法書士への相談が有効です。一人で抱え込まず、期限を意識しながら冷静に進めることが、後悔の少ない選択につながります。
監修者髙柳
事故物件・訳あり物件買取のプロからのアドバイス
疎遠だった方ほど、判断材料がないまま決めることになります。物件が残っているなら、査定を取るだけでもプラスの財産があるかの目安になります。
相談だけで終わっても構いませんので、抱え込まないでください。
孤独死の引き取り拒否に関するよくある質問
最後に、警察や自治体から連絡を受けた方から寄せられることの多い質問をまとめました。
Q
引き取りを拒否した場合、死亡届は誰が提出するのですか?
A
拒否した親族が提出する必要はありません。警察が取り扱った遺体については、警察による確認後、死亡届や戸籍への記載については状況に応じて必要な手続きが進められます。届出義務者として定められているのは同居の親族や家主などであり、別居していた疎遠な親族は含まれないことがほとんどです。
Q
疎遠だった父や兄弟でも、必ず連絡は来るのでしょうか?
A
身元が判明すると、警察は戸籍をたどって血縁の近い順に連絡を取ります。何十年も音信不通だった場合でも、法定相続人にあたる立場であれば連絡が入るのが一般的です。連絡が来たこと自体に法的な義務は生じませんので、引き取れない事情があればその場で伝えて構いません。
Q
遺体は引き取らず、遺骨だけを引き取ることはできますか?
A
可能です。自治体が火葬を行ったあと、遺骨は一定期間保管されるため、その間であれば引き取りを申し出られます。ただし火葬料や保管料の負担を求められる場合があります。合祀墓へ納骨されたあとは取り出せなくなるため、希望する場合は保管期限を役所に確認しておきましょう。
Q
一度引き取りを拒否した後で、撤回することはできますか?
A
火葬が行われる前であれば、あらためて引き取りたいと申し出ることで対応してもらえる場合があります。ただし自治体の手続きが進んでいると間に合わないこともあるため、気持ちが変わった時点ですぐに担当者へ連絡してください。火葬後は遺骨の引き取りという形での対応になります。
Q
引き取りを拒否すれば、部屋の片づけもしなくてよいのでしょうか?
A
遺体の引き取りと部屋の片づけは別の問題です。故人の家財は相続財産に含まれるため、賃貸なら大家や管理会社から相続人へ残置物の撤去や原状回復を求められることがあります。
なお2023年施行の改正民法により、相続放棄をした人の保存義務は、放棄の時点でその財産を現に占有している場合に限られました。
相続放棄後の管理責任は、財産を現に占有しているかどうかなど状況によって判断されます。自分が管理責任を負うか不安な場合は、専門家へ確認しましょう。
孤独死の引き取り拒否は費用と相続もあわせて判断する
孤独死した親族の遺体は、法律上引き取りを拒否できます。拒否した場合は死亡地の市区町村が火葬を行い、遺骨は一定期間保管されたのち無縁墓へ納骨されます。
ただし、拒否しても相続人としての立場は残り、火葬費用については、まず故人の遺留金品が確認される場合がありますが、不足分の扱いや負担先は自治体や状況によって異なります。賃貸物件であれば、残置物の撤去や特殊清掃の費用も別に発生します。
負債を引き継ぎたくない場合は、相続人であると知った日から3か月以内に相続放棄の手続きが必要です。遺品に触れると単純承認とみなされる恐れがあるため、片づけを始める前に方針を決め、判断に迷うときは弁護士や司法書士へ相談しましょう。
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愛知県名古屋市出身で、株式会社グッドバイバイ代表取締役。創業以来、熊本県を中心に九州圏で不動産の買取・再販を手がける。事故物件・訳あり物件専門の買取・売却サービス「お清め不動産」を運営し、孤独死・自殺・火災などの物件も現状のまま査定。特殊清掃・遺品整理・供養まで、トラブルを抱えた不動産の売却をワンストップでサポートする。