「所有するマンションが事故物件になってしまった」「売却や賃貸はできるのだろうか」——こうした不安を抱えて情報を探している方は少なくありません。
結論からお伝えすると、事故物件のマンションでも売却・賃貸は可能です。ただし、告知義務のルールや相場の下落幅を正しく理解しておかなければ、思わぬトラブルや損失につながります。
この記事では、事故物件の定義から告知義務の要否、投資用マンション特有の注意点、売却・賃貸の相場、そして具体的な売却方法まで、マンションオーナーが知っておくべき情報を網羅的に解説します。
髙柳 比呂志HIROSHI TAKAYANAGI
株式会社グッドバイバイ 代表取締役
- 宅地建物取引士
- 不動産キャリアパーソン
- 総合旅行業務取扱管理者
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目次
事故物件とは?
事故物件とは、不動産取引において心理的瑕疵(しんりてきかし)があると判断される物件を指します。物件の構造や設備に問題があるわけではなく、過去に起きた出来事が原因で「住みたくない」と感じさせる物件のことです。
不動産における瑕疵(欠陥)には、心理的瑕疵のほかに以下の3種類があります。
| 瑕疵の種類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 心理的瑕疵 | 過去の出来事により心理的抵抗が生じる | 自殺・他殺・火災死亡、反社会的勢力の拠点 |
| 物理的瑕疵 | 建物や設備に欠陥がある | 雨漏り・シロアリ被害・耐震性不足 |
| 法的瑕疵 | 法令上の制限や権利関係に問題がある | 違法建築・再建築不可・境界紛争 |
| 環境的瑕疵 | 周辺環境に問題がある | 騒音・悪臭・嫌悪施設の近接 |
事故物件はこのうち心理的瑕疵に分類されます。目に見える欠陥ではないものの、買主や借主の判断に大きく影響するため、不動産取引では重要な要素として扱われています。
2021年10月には国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定し、事故物件の判断基準や告知義務の範囲がある程度明確になりました。このガイドラインに法的拘束力はありませんが、業界共通の判断基準として広く活用されています。
マンションが事故物件になるのはどんなケース?

マンションはさまざまな住人が暮らす共同住宅であるため、戸建てと比べて事故物件化するリスクが高い側面があります。ここでは、マンションが事故物件に該当する代表的な3つのケースを解説します。
自殺があった
室内で自殺があった場合、そのマンションは事故物件として扱われます。国土交通省のガイドラインでも、自殺は明確に告知義務が必要な死因として定められています。
自殺は日常生活の延長線上にある死ではなく、購入希望者に強い心理的抵抗感を与えるためです。マンションの場合、飛び降りによる自殺が敷地内で発生するケースもあり、その場合は共用部分での死亡として告知義務の判断が変わることがあります。
自殺があったマンションの詳しい対応方法は「自殺があったマンションは事故物件?告知義務・売却相場・対処法を解説」で解説しています。
孤独死があった
孤独死があった場合、すべてが事故物件になるわけではありません。死因が老衰や病気による自然死であれば原則として告知義務は発生しません。
ただし、発見が遅れて遺体が腐敗し、特殊清掃が必要になった場合は事故物件に該当します。マンションは共同住宅であるため、腐敗臭が隣室や共用部分にまで広がり、近隣住民からの苦情で発覚するケースも珍しくありません。単身高齢者の増加に伴い、マンションで孤独死が発生するリスクは年々高まっています。
殺人事件があった
室内で殺人事件が発生した場合は、最も心理的瑕疵が大きい事故物件として扱われます。社会的な注目度が高く、報道によって広く知れ渡ることも多いため、資産価値への影響は極めて大きくなります。
殺人事件があったマンションは、同じマンション内の他の部屋にまで風評被害が及ぶことがあります。マンション名そのものがニュースに出ることで、事件が起きた部屋以外の住人も売却や賃貸に苦労するケースが実際に報告されています。
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事故物件の告知義務が必要なケース

事故物件の売却や賃貸を検討する際、まず確認すべきは告知義務の有無です。国土交通省のガイドラインでは、買主や借主の判断に重要な影響を及ぼす事案について告知が求められています。
告知義務の詳しいルールについては「事故物件の告知義務とは?ガイドラインに基づく告知内容や年数・注意点を解説」でも解説しています。
自殺や他殺があった
自殺・他殺・火災による死亡は、発生時期にかかわらず告知義務の対象です。国土交通省のガイドラインでは、これらは「日常生活の中で通常起こりえない死」として明確に区分されています。
マンションの場合、居室内での死亡だけでなく、バルコニーからの飛び降り自殺なども含まれます。買主や借主の判断に重大な影響を与える事案であるため、知り得た事実は正確に伝える必要があります。
特殊清掃が必要になった
死因が自然死であっても、遺体の発見が遅れて特殊清掃が行われた場合は告知義務が発生します。特殊清掃とは、通常の清掃では対応できない汚損や臭気を専門的な方法で除去する作業のことです。
ガイドラインでは、特殊清掃や大規模リフォームが必要になるほどの汚損があった場合、死因にかかわらず告知の対象になると明記されています。マンションの一室で長期間発見されなかった孤独死は、このケースに該当しやすい傾向があります。
共用部分での死亡事故
マンション特有の論点として、日常的に使用する共用部分で自殺や他殺が発生した場合にも告知義務が生じます。具体的には、エントランス・廊下・エレベーター・階段といった住人が日常的に利用するスペースが該当します。
ただし、共用部分での自然死や不慮の事故死であれば原則として告知義務はありません。あくまで自殺・他殺など事件性のある死亡が告知の対象です。通常使用しない共用部分(屋上や機械室など)での死亡事故については、次のセクションで解説します。
事故物件の告知義務が適用されないケース

人が亡くなった物件がすべて事故物件になるわけではありません。ガイドラインでは、日常生活の中で起こり得る死亡については告知不要と整理されています。ここでは、告知義務が発生しない4つのケースを確認しましょう。
自然死
老衰や持病による病死などの自然死は、原則として告知義務がありません。ガイドラインでは、自然死は日常生活の中で当然起こり得る事象であり、心理的瑕疵には該当しないとされています。
ただし、前述のとおり発見の遅れにより特殊清掃が必要になった場合は例外です。自然死であっても告知義務の対象となり得るため、死因だけでなく発見状況まで確認することが重要です。
自然死と告知義務の関係については「自然死の告知義務はある?判断基準から例外・売却方法まで徹底解説」で詳しく解説しています。
不慮の事故
日常生活の中で生じた不慮の事故死も告知義務の対象外です。具体的には、自宅内での転倒、入浴中の溺死、食事中の誤嚥といったケースが該当します。
これらは高齢者の自宅で特に発生しやすい事故ですが、日常生活の延長線上にある出来事であり、住まいの心理的な瑕疵にはあたりません。ただし、買主や借主から死亡事故について直接質問があった場合は、知っている事実を正確に伝える義務があります。
通常使用しない共用部分での死亡事故
屋上や機械室、倉庫スペースなど、住人が通常立ち入らない共用部分での死亡事故は告知義務の対象外です。日常的に使用しない場所での出来事は、居住者の心理面への影響が小さいと判断されるためです。
一方で、前述のとおりエントランスや廊下、エレベーターなど日常的に使用する共用部分は対象となるため、同じ「共用部分」でも場所によって判断が分かれる点に注意が必要です。
他の部屋での死亡事故
同じマンション内であっても、別の部屋で起きた死亡事故は原則として告知義務の対象外です。告知義務はあくまで取引対象となる住戸に対して発生するものであり、隣室や上下階で起きた出来事まで告知する義務は通常ありません。
原則として隣の部屋での死亡事故について告知義務はありません。ただし、社会的影響が極めて大きい事件の場合は例外となる可能性があります。
報道で広く知れ渡った殺人事件などは、マンション全体の心理的瑕疵と判断されるケースもあり、過去の判例でも同じマンション内の別の住戸が影響を受けた事例があります。
判断に迷う場合は、自己判断せず不動産会社や弁護士に相談することをおすすめします。
監修者髙柳
事故物件・訳あり物件買取のプロからのアドバイス
実務では「特殊清掃が入ったか」が最初の分かれ道です。自然死でも清掃が入ったなら告知が必要とお考えください。業者の見積書や作業報告書は必ず残しておいてくださいね。人の死以外にも告知義務が発生する心理的瑕疵

事故物件は「人の死」が起点となる心理的瑕疵ですが、マンションの取引では周辺環境に起因する心理的瑕疵にも注意が必要です。以下のようなケースでは、建物内で死亡事故がなくても告知義務が生じます。
物件周辺に反社会的勢力の拠点が所在するケース
マンションの近隣に指定暴力団の事務所など反社会的勢力の拠点がある場合、心理的瑕疵として告知義務が発生します。不動産取引では、重要事項説明の際にその旨を伝えることが求められています。
過去の判例では、マンション建設用に購入した土地の向かいにある暴力団事務所が心理的瑕疵にあたると判断された事例もあります。住人の安全に直結する問題であり、買主にとって購入判断に大きな影響を与える情報です。
物件周辺に嫌悪施設(風俗店・刑務所など)が所在するケース
マンション周辺に嫌悪施設が存在する場合も、心理的瑕疵として告知が必要になるケースがあります。嫌悪施設とは、その存在が周辺住民に心理的な不快感を与える施設のことです。
嫌悪施設の代表例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 風俗営業店
- 刑務所・拘置所
- 墓地・火葬場
- 下水処理場・ゴミ処理施設
- 高圧線の鉄塔
これらの施設は環境的瑕疵に分類されることもありますが、住む人の心理面に抵抗感を与えるという点で心理的瑕疵と重なります。マンションの売却時には、建物内の出来事だけでなく周辺環境も確認しておきましょう。
分譲マンションの事故物件は売れるのか
事故物件の分譲マンションでも売却は可能です。ただし、死因や事故の程度によって10〜50%程度の価格下落が見込まれます。立地や築年数など、物件の総合力次第で買い手がつくケースは少なくありません。
分譲マンションが事故物件になった場合、「もう売れないのではないか」と不安を感じる方は多いでしょう。しかし、事故物件でも購入する買い手は一定数存在します。
特にマンションの場合、駅近・都心部・利便性の高いエリアであれば、事故物件であることのデメリットを上回る立地の魅力があります。リフォーム済みで室内がきれいな状態であれば、相場より安い価格で購入できることに魅力を感じる層も存在します。
ただし、売却価格は通常の相場から10〜50%程度下落するのが一般的です。下落幅は死因によって異なり、自然死(特殊清掃あり)よりも自殺、自殺よりも殺人事件のほうが大きくなる傾向があります。売却を急がず、複数の不動産会社に査定を依頼して適正価格を見極めることが重要です。
投資用のマンションが事故物件になったら
投資用マンションのオーナーにとって、所有物件が事故物件になることは経営上の大きなリスクです。入居者が集まらない、近隣住人が退去する、家賃を下げざるを得ないなど、収益に直結する影響が複数発生します。
ここでは、投資用マンションのオーナーが押さえておくべき告知義務と損害賠償のルールを整理します。
賃貸の場合は概ね3年間は告知義務が生じる
投資用マンションを引き続き賃貸に出す場合、概ね3年間は告知義務が続きます。これは国土交通省のガイドラインで示された基準であり、事故発生から約3年が経過すれば告知義務がなくなる可能性があります。
ただし、3年間は新規入居者の募集が難しくなるか、家賃を大幅に引き下げる必要があることを想定しておきましょう。その間の空室リスクや家賃の減収を見込んだ収支シミュレーションが、オーナーとしての判断材料になります。
売却する場合はいつまでも告知義務が生じる
投資用マンションを売却する場合は、賃貸と異なり告知義務に期限がありません。事故から10年・20年が経過していても、買主の判断に影響を与える可能性がある限り告知が必要です。
「しばらく賃貸に出してから売れば告知しなくて済む」と考えるオーナーもいますが、これは大きな誤りです。売買取引では高額な意思決定が伴うため、賃貸よりも厳格な基準が適用されます。告知を怠った場合は契約不適合責任を問われ、損害賠償や契約解除のリスクを負うことになります。
入居者遺族への損害賠償
入居者の自殺などで投資用マンションが事故物件になった場合、オーナーは経済的な損失を被ります。この損失について、入居者の遺族に対して損害賠償を請求できるかどうかは多くのオーナーが気になるポイントでしょう。
入居者遺族への損害賠償は基本可能
結論として、入居者遺族への損害賠償請求は法的に可能です。賃貸借契約には「善管注意義務」が含まれており、入居者は物件を適切に使用・保全する義務を負っています。室内での自殺はこの義務に違反する行為として、遺族が損害賠償責任を相続するという考え方が判例上も認められています。
請求できる内容
オーナーが遺族に請求できる主な損害の内容は以下のとおりです。
- 特殊清掃・原状回復にかかった費用
- 事故物件化による家賃下落分の逸失利益(一般的に2〜3年分が認められる傾向)
- 空室期間中の賃料相当額
- リフォーム費用(原状回復を超える部分は認められないこともある)
ただし、請求が認められる金額には限度があり、すべての損害が満額補填されるわけではない点に注意が必要です。弁護士に相談のうえ、請求可能な範囲を確認してから進めることをおすすめします。
事故物件のマンションを買う人・住む人はいる?
事故物件のマンションを購入・賃借する人は一定数います。「気にならない」という層は想像以上に多く、立地や価格のメリットが上回れば需要は十分に見込めます。
「事故物件に住みたい人なんているのだろうか」と疑問に思う方は多いかもしれません。しかし実際には、事故物件を前向きに検討する層は確実に存在します。
たとえば、家賃や購入価格を最優先で抑えたい単身者や学生、立地を重視するビジネスパーソン、あるいは心理的な抵抗が少ない外国人入居者などが代表的な層です。近年では事故物件専門の情報サイトも複数登場しており、事故物件を積極的に探す人も珍しくありません。
もちろん、事故の程度によって需要は大きく変わります。自然死(特殊清掃あり)と殺人事件では心理的な抵抗感に大きな差があり、後者ほど買い手・借り手は見つかりにくくなります。
ただし、適正価格で売り出し、物件の魅力を正確に伝えれば、事故物件でも取引が成立する可能性は十分にあります。
事故物件のマンションの売却・賃貸相場
事故物件のマンションを売却・賃貸する際に最も気になるのが、価格がどの程度下がるのかという点でしょう。ここでは売却と賃貸それぞれの相場感を、死因別の下落率とあわせて整理します。
売却の場合
事故物件の売却価格は、通常相場から10〜50%程度下落するのが一般的な目安です。下落幅は死因や物件の状態、立地などによって大きく異なります。
| 死因・事故の種類 | 売却価格の下落率(目安) |
|---|---|
| 自然死(特殊清掃あり) | 約10〜20% |
| 自殺 | 約20〜30% |
| 殺人事件 | 約30〜50% |
駅近や都心部の人気エリアであれば下落幅は抑えられる傾向にあり、逆に郊外の築古マンションは下落幅が大きくなりやすいです。売却を検討する際は複数の不動産会社に査定を依頼し、適正な売り出し価格を見極めましょう。
賃貸の場合
事故物件マンションを賃貸に出す場合、家賃は通常相場から10〜30%程度の引き下げが目安になります。告知義務がある期間(概ね3年間)は特に入居者が見つかりにくいため、相場以上の家賃引き下げが必要になるケースもあります。
ただし、3年を過ぎて告知義務がなくなれば通常の家賃に戻せる可能性があります。その間の減収は、前述の入居者遺族への損害賠償請求でカバーできる場合もあるため、並行して法的対応を進めておくとよいでしょう。
事故物件のマンションで起こるトラブル

事故物件のマンションでは、通常の不動産取引では起きにくいトラブルが発生しやすくなります。あらかじめ代表的なトラブルのパターンを把握しておけば、事前に対策を講じることができます。
告知漏れによる契約・金銭的トラブル
最も深刻なトラブルが告知義務の違反です。事故物件であることを買主や借主に伝えずに契約した場合、後から事実が発覚すると契約不適合責任を問われます。
具体的には、契約の解除や損害賠償請求に発展するリスクがあります。マンションの場合、近隣住民やマンションの管理組合を通じて事実が伝わりやすいため、隠し通すことは現実的に困難です。意図的な隠蔽でなくとも、調査不足による告知漏れもトラブルの原因になるため注意が必要です。
売却・賃貸価格を巡るトラブル
事故物件の適正価格に明確な基準がないため、売主と買主の間で価格の認識にズレが生じやすいのも特徴です。売主側は「これ以上下げたくない」と考え、買主側は「事故物件なのだからもっと安くすべき」と主張するケースが多くみられます。
賃貸でも同様に、家賃の下げ幅について貸主と借主の間でトラブルになることがあります。このようなトラブルを避けるためには、事故物件の取引実績が豊富な不動産会社に間に入ってもらい、客観的な価格提示を行うことが有効です。
契約後のキャンセル
売買契約や賃貸借契約の成立後に買主・借主がキャンセルを申し出るトラブルも発生します。契約前に事故物件であることを告知していても、内覧後や入居後に「やはり気になる」と心変わりするケースです。
契約後のキャンセルは、告知義務を果たしていれば法的には売主に非がないことが多いですが、現実問題として再度売却活動をやり直す手間とコストが発生します。こうしたリスクを減らすには、事故の内容を契約前の段階で丁寧に説明し、相手の疑問や不安にしっかり答えておくことが大切です。
事故物件のマンションを売却する方法

事故物件のマンションを売却するには、物件の状態や事故の内容に応じた戦略が求められます。ここでは代表的な4つの方法を、それぞれのメリット・注意点とあわせて紹介します。
特殊清掃やお祓いを行う
まず取り組むべきは、特殊清掃による物理的な原状回復です。汚損や臭気が残った状態では内覧すらできないため、専門業者に依頼して徹底的に清掃します。
あわせてお祓いを実施するオーナーも少なくありません。お祓いには法的な効果はありませんが、買主の心理的な安心感を高める効果が期待できます。「お祓い済み」という情報があるだけで、購入への抵抗が軽減されるケースは実際に多くみられます。
リフォームを行う
室内の汚損が大きい場合は、壁紙や床材の張り替えなどのリフォームを検討しましょう。内覧時の印象が大きく改善されるため、買主の心理的抵抗を和らげる効果があります。
ただし、リフォーム費用は数十万〜数百万円かかるのに対し、事故物件であるという事実は消えないため、費用分を売却価格に上乗せできる保証はありません。費用対効果を冷静に見極めたうえで実施を判断することが重要です。
期間をおいてから売却する
事故発生直後は報道や近隣の噂によって注目度が高い状態です。一定期間を空けることで風評が落ち着き、買主の心理的抵抗感が和らぐ可能性はあります。
しかし、売買では時間が経過しても告知義務が消えないため、売却の難易度が自動的に下がるわけではありません。さらに、放置している間も固定資産税・管理費・修繕積立金が発生し続けるほか、建物の経年劣化も進みます。時間を置くメリットとコストを天秤にかけて判断しましょう。
事故物件を専門に扱う不動産に買取ってもらう
最もスムーズに売却できる方法が、事故物件専門の買取業者に売却することです。仲介での売却が難しい物件でも、専門業者であれば現状のまま買い取ってもらえるケースが多くあります。
買取業者に売却するメリットは、残置物や特殊清掃が未対応でも現状のまま売却できること、契約不適合責任が免除されるケースが多いこと、査定から引き渡しまで最短数日〜2週間程度で完了することです。
仲介による売却と比べて買取価格は低くなる傾向がありますが、リフォーム費用や長期間の維持コストを考慮すると、トータルで手取り額が多くなることも珍しくありません。複数社に査定を依頼し、価格だけでなく対応の丁寧さも比較したうえで業者を選びましょう。
監修者髙柳
事故物件・訳あり物件買取のプロからのアドバイス
リフォーム代がそのまま売値に乗るとは限りません。まず現状のままで査定を取って、そのうえで工事するか判断するのがおすすめです。順番を逆にすると損をしがちです。まとめ
事故物件のマンションは、自殺・他殺・特殊清掃を伴う死亡など心理的瑕疵がある物件が該当し、自然死や不慮の事故死は原則として告知不要です。告知義務の期間は賃貸で概ね3年、売買では期限がありません。
また、反社会的勢力の拠点や嫌悪施設の近接といった人の死以外の心理的瑕疵にも告知が求められます。
売却価格は10〜50%程度下落するのが一般的ですが、事故物件でも買い手は一定数存在し、適切な方法を選べば売却は十分に可能です。特に事故物件専門の買取業者への売却は、現状のまま短期間で取引が完了するため、最もスムーズな選択肢といえるでしょう。
特に投資用マンションのオーナーにとっては、告知義務の期間や損害賠償請求の可否を正確に理解しておくことが、経済的な損失を最小限に抑える鍵になります。
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